指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

日曜日の雑感。

 久々のお休み。塾もない。ここしばらくの間に起きたことを書き留めておく。
 陽性だったまーさんがバイトに復帰した。26日金曜日のことだ。11時前に出勤して職場を覗くと11時までのシフトだった彼女がわざわざ駆け寄って来てくれてほんの数分話すことができた。朝のオープン作業のために朝イチで出勤することの多かったここ最近についてとても感謝される。そして無理して疲れてるんじゃないかと気遣われる。確かに朝イチの出勤については買って出た部分があった。会社としてはある学生さんにそれを押しつけようとしたみたいだったんだけど彼は家が遠くて気の毒だったから。ただよく考えるとそれについて会社からは感謝されても彼女からお礼を言われる筋合いはないような気もする。まあでもそれはそれとしてとりあえずまーさんのグレートマザー振りにはいつも心を温められる。帰省したとき買ったというおみやげを手渡されたのでまた何かお返し考えなきゃ。
 昨日のシフトは7時から8時までと夏期講習を挟んで11時からだった。オープン作業はひろたんと一緒で暇な時間に幼稚園について話す。女の子は一輪車が上手でしたよねと言うと彼女も大好きだったと返してくれる。この辺りの幼稚園ではいちばん広々しててよかったですよねと彼女が言うので僕も結構いくつか幼稚園を見て回って同じ風に思ったのでそこに決めましたと返す。彼女は園児で僕は父兄だったという違いこそあれ同じ場所の思い出を彼女と共有してると思うとなんかうれしい。それから夏期講習のためいったん帰って11時に再度出勤するとひろたんが話したいことがあると言うので仕事中の私語は一応禁止されてるんだけどちょっと長めに話す。詳しくは省くけどこの三時間の間にトラブルがあったらしく彼女はあるスタッフと社員の間に挟まれて大変な思いをしたらしい。業務上の規則に関する解釈の違いでそれはそのスタッフと社員が直にやりとりすればいいだけの話であってひろたんを巻き込む必要はまるでないように思われた。ただとりあえずそのスタッフの近くにいたのがひろたんだったので矢面に立たされたということらしい。彼女はそれに対して腹を立ててると言うよりはとても傷ついてるように思われたのでそれはかわいそうなことをしましたと言って慰めた。彼女の帰り際にも寄って行って愚痴があるなら聞きますがと言うと今は頭が整理できてないのでまた次回話しますと答えるのでわかりましたと返す。繊細で優しい子なだけにショックが大きかったのかも知れない。でもわざわざ僕に話したいと思ってくれたということは僕なら少しは頼っても大丈夫と考えてるということのような気がしてうれしくもあった。次は火曜日の夜のシフトで彼女と一緒になる予定。
 ふだんは職場にスマホを持って行かない。個人情報がいっぱい入ってるし何かあったらいやだから。でもオープン作業の中にはスマホがあると便利な仕事が含まれてるため最近何度か持ってってた。昨日は普通日曜日にしかシフトに入らないかごくんが頭数が足りないということで来てくれていて短い休憩時間にスマホを出してチェックしてると僕の使ってるケースを見て○○さん(僕のこと)高木さん好きなんですかと尋ねる。好きなんですよ高木さんご存じなんですかと返すとコミックを集めてると言う。僕はアニメが好きでと言うと高木さんの歌いいですよねとのことでサブスクで聴いてるらしい。声優さんの声がきれいですよね高木さんのと言うのでほんとそうですねと答える。時間がなくて話はそれで終わっちゃったんだけど高木さんの歌の愛好者を身近に発見したのは初めてでなんだかうれしい。かごくんは仕事には手を抜くけど気持ちのいい子で前にも書いたように個人的には割に好感を持っている。
 このブログで確認すると「いちばん美しい生き物」と最後に話したのは8月8日のようだ。もう二十日近く前のことだ。こうして彼女の記憶もリアリティーが徐々に薄れて行くんだろう。完全に忘れてしまうのには割に時間がかかるにしても。
 水曜日が子供の誕生日なので今日は前倒しで食事に行く。お昼はお好み焼き屋さんでお祝い。カルビを焼いて焼きそばを焼いてお好み焼きを焼いてもんじゃ焼きを焼く。毎年思うことに子供の誕生日でいちばん労われるべきは家人だということがある。だからこのお店では全部僕が焼いて僕が支払う。普段料理はまったくしないのでこれがささやかな家人への労いの気持ちだ。喜んで食べてくれてちょっと酔っ払って手をつないで帰る。
 夕飯もまた何か食べに行く予定。だってそれがいちばん家人を助けるから。