指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

五月分の仮シフトが出る。

 バイトの五月分の仮シフトが出た。もう全然人手が足りない。壊滅的と言っていい。もちろんめでたくご懐妊のうっちゃんのお休みも影響してるんだろうけどひとり休んだくらいでこれほど人手が足りなくなるとは考えづらい。たぶん学生さんとか大学が忙しくなってあまりシフトに入らなくなったということなんじゃないかと思う。それで今月入ったばかりの新入社員の男の子に五月のシフトの件で社員に何か言われたかと質問を今日受けた。新入社員は女の子と男の子とふたり入ってどちらも割に気さくな子でよく話す。特に男の子の方は僕の顔を見かけるとわざわざこちらに近づいて来て話しかけるほどだ。それにしても妙なことを尋ねるなと思って何も言われてないけどそれが何かと尋ね返すと何か頼まれても断った方がいいですよと意味深なことを言う。僕は帰りを急いでたのでそこで会話は終わったんだけど後からどんどん気になって来る。この前超法規的裏技を使ってやってはいけないはずの連勤をやらされたしさしずめまた同じことを僕にさせようという話になってるのかも知れない。そんなことでもしないとこの人手不足はどうしようもないしそれくらいのこと平気でやりかねない連中だから。ところがこちらは五月のバイトははっきり減らそうとしていてシフトの希望にもその意志がちゃんと表れてる。最低でも週に二回は休むように組んでありここ何ヶ月もそんな余裕のあるシフト希望を出したことがなかったから。急にバイトに入ると自分が働く訳でもないのに家人ががっかりするのでイレギュラーなシフトに入るつもりも今のところない。さてどうなりますか。しかし何か頼まれても断った方がいいですよなんて考えてみれば明らかにこっちの味方だなその新入社員。この前彼が六連勤と聞いてすごく同情したからかな。