指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

わかりにくい「スター・ウォーズ」。

ほんとはこんなカテゴリーを立てるほど映画を見てる訳じゃないんだけど、まあいいか。後から雑記に入れちゃうかも知れないけど。

少し前に、TVでスター・ウォーズを結構まとめて放映してくれて、TVの前に陣取ってというわけには行かなかったが割と長い時間見た。「スター・ウォーズ(新たなる希望)」、「帝国の逆襲」、「ジェダイの復讐」、「ファントム・メナス」、「クローンの攻撃」。どれひとつとっても初めて見る作品ではなかったのだけど、こうしてまとめて見ると物語のつながりがかなり明確につかめた。

それにしてもこのシリーズは物語の全体がつかみにくくありませんか?僕だけなんだろうか。目の前を通り過ぎるスピード感あふれる特撮シーンを楽しむだけでおなかいっぱいで、物語なんてどうでもよくなるきらいがある。ルークとダース・ベイダーの確執とか、ハン・ソロレイア姫の、あるいはアナキンとアミダラ姫のロマンスとか、そういう小さい物語は頭に残る。でもどうも全体像がつかみづらい気がしていた。大体タイトルだけ見ても、どれがどの話か判然としない。

それで今回はっきりとわかったのは、このシリーズの主人公がダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーだということだ(何を今更)。エピソード1で親元から離れ、エピソード6はこの人が死ぬことで終わるのだから、どう見たってダース=アナキンの一代記だ。

もうひとつ思ったのが、「フォースの暗黒面」という言葉は案外奥が深いのではないかということだった。「帝国の逆襲」でヨーダに促されルークが森の深いところでダース・ベイダーの幻と戦うシーンがある。切り落としたダース・ベイダーの頭が、実はルーク自身のものだったというくだりで、以前はよくある話じゃねーかと思って見ていた。でも何か、今回はそうも思えなかった。フォースなど使えない普通の人間の心の暗黒面も、きちんと象徴し得ているように思われたのだ。

だから今度の「シスの復讐」がとても興味深く思える。アナキンが暗黒面に入って行く過程がきっちりと描かれなければならないからだ。しかもそれは、僕たちが自分の心の暗い部分に分け入って行く感覚を象徴するものでなければならない。シリーズ最高のクライマックスと言えば、これほどのクライマックスは確かにないだろう。

不安なのは「ジェダイの復讐」でのダース・ベイダーの変心だ。ほとんど崇拝に近い皇帝への思いが、かなりあっけなく覆されてしまいドン引きだった。ああいう展開なら納得しねーぞ。