指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

結婚記念日。

今日は結婚記念日だ。普段日曜日は晩酌はしないが、今日はビールで乾杯しようということになっている。結婚してから数年は、毎年一つずつ家人の好きな「Afternoon Tea」のキッチン用品を買っていた。去年はお米を保存する大きな缶、今年はパスタ用の缶、といった風に。数年前に「Afternoon Tea」が、それらのシリーズのデザインをマイナーチェンジして、統一がとれなくなりやめてしまった。

年中行事というのはいろいろあるけど、中でも結婚記念日の立場というのはあまり強くない。これは子供ができてからさらにそうなった。もしかしたらこの日については男性よりも女性の方が一般的に思い入れが強いのかも知れないが、うちの場合は家人にそれほどのこだわりがない。僕がその日だと言うと、もう何年たったのかあ、そんな気しないね、とか言って澄ましている。

確か「桜桃」の中で太宰治は「子供より親が大事。」と言っている(学校でこれについて一種の反語なんだと解説されたことがあるけど、それはまあ、ここではいいや。)。SMAPの「らいおんハート」にも、子供が生まれたら二番目に好きだと言おう、という意味の歌詞があった。基本的に同感だ。まあわざわざ子供に、パパはママが一番好きでお前は二番目だ、と言うかどうかは別にして。

だって、子供ができたら子供にかかる時間の方が圧倒的に多くなっちゃうんだから、心構えだけでもお互いに「子供より親が大事」と思って日々修正を重ねていないと、本当に子供のためだけの夫婦になりかねないよ。そしてそれは当の子供にとっても決して幸せなことではないという気がする。

まあこの辺については日頃からそれほど深く考えてる訳じゃないんだけど、直感で突き詰めるとそういうことになりそうだ。だから結婚記念日はもっと大切にしよう、という結論に行くかと言うとそういうことはなくて、結婚記念日をどれだけ大切にしてるかと夫婦仲の善し悪しは、実はそれほど関係がないのではないか、くらいのことをおそるおそる言ってみて今日のところはこの辺で。