指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

六人の体験学習が終わる。

 きつめにカウントすると二勝二敗二分け。その場で塾に入ることを決めた人がふたり、その後なんの連絡もない人がふたり、相談して決めると持ち帰った人がふたり。つまり最低だと二勝、最高ならまだ六勝の可能性もないではない。六人入ってもらえると受験生が抜ける穴を埋めた上におつりが来る。なんとかそうならないかなあ。家人に生活費を負担してもらうのは正直相当後ろめたいから。
 昨日の朝からのどが痛くて微熱が続いている。夕方病院に行くと扁桃炎ということで薬が出たので飲んだけど今朝は前日に倍する痛みで目覚めた。時間帯によっては寒気もする。熱を測ると7度台前半だから大して高くないんだけどそれなりのダメージがある。この状況でクルーズ船のニュースをテレビで観ると本当に人ごとではなく感じられる。んだけど実際はもっとずっと大変なんだろうな。さっきダメージと書いたけどそれほど熱が高くなければ寒気がするのもなんだか体がふわふわしてるのもそれほど悪くない。快適とまでは言わないけど少なくとも嫌いではない。子供の頃は体が弱くて肺炎と気管支炎をそれぞれ二回ずつやった。天井の照明を見つめながらあのくるくる回ってる星を取ってと親に頼んだという逸話が残っている。41度の熱が出たときだそうだ。こういうのは本人より親の方がつらいということが今ならわかる。大学に入って卒業したこと、結婚したこと、孫の顔を見せられたことで自分では充分孝行息子だと思ってるが、子細に収支をつければかなりの親不孝者なのかも知れない。少なくとも家人はそう思ってるようだ。と、こういうどうでもいいことをつらつら書いてるというのも熱の功罪かも知れない。
 午前中はいつもなら家人と一緒にその日の分の買い物に行くんだけどそういう訳で家人がひとりで行くことになり僕は前述のようにクルーズ船の番組を観てたらかなり本格的に気分が落ち込んできたのでデッキのスイッチを入れて何話かだけ録画して取ってある「からかい上手の高木さん 2」を観た。詳細は省くけど「お悩み」というエピソードで西片君が無意識に高木さんに向けている関心に気づいて心を打たれる高木さんの姿がものすごく健気で気がつくと涙がこぼれていた。傑作だと思うけど僕もかなり弱まってるのかも知れない。
 子供の話をするのを忘れていた。昨日から四日連続で私立大の入試に通っている。僕もなん日か連続で入試を受けたことがあるけど四日連続はそれなりにハードだろうなと思う。いろいろ悩みとかあるみたいなのでたまに話をすると今は大変だけどでも、このうちに生まれて来てよかったと言う。家人と僕にとってこれ以上の言葉はないんじゃないかと思う。