別に隠すつもりはなかったのだけど隠していたと言われても仕方ないことがあって、それはソフトバンク・ホークスのファンだということだ。どういうきっかけであるプロ野球チームのファンになったかというのは割と表沙汰にされない話題だと思う。そもそもプロ野球に興味のない人にそんなことを話しても仕方ないし、興味のある人にはまあ大抵ひいきのチームがあって、そういう人は他のチームのファンの言うことなど聞かないからだ。そして同じチームのファン同士で、あなたどうしてこのチームのファンなんですかという問いはまず問われることがないからだ。
でも僕にはソフトバンク・ホークスのファンである根拠がある。それは家人が福岡の方の出身だということだ。でもほんとはそこにも他人にうまく話せない紆余曲折が挾まっている。それがホークスファンを隠すともなく隠していた理由だ。
東京ドームが近くなので、子供が生まれる前は何度か当時のダイエー・ホークス対日本ハム・ファイターズの試合を観戦した。その後日ハムは東京ドームから札幌ドームへとフランチャイズを移し、ホークスはダイエーからソフトバンクに生まれ変わり、昨年の交流戦みたいな機会を除けば東京ドームでホークスの試合を見られることはすごくまれになった。
今朝新聞で東京ドームにホークスが来ることを知り、たまたま家人のひいきの新垣渚投手が先発なので見に行ってみるかということになった。仕事を早めに切り上げ子供と家人と合流して出かけた。
息詰まる投手戦と言ってよかった。その他に僕たちは子供との息詰まる戦いを想定していたのだけど、そちらはまあ何とかなった。投手戦で逆転勝利でホームランが三発。代打逆転満塁サヨナラホームランと比べるとまあ確かにちょっと見劣りがするけど、僕がこれまで見に行った中では一番いい試合だった。あまり期待していなかった松中信彦選手のホームランは見られなかった（せっかく打ったのに僕らはまだ球場に着いてなかった。）が、フリオ・ズレータ選手の打球が目の前で弧を描いてレフト・スタンドにたどり着くのは目で追うことができた。尻上がりによくなって行く新垣投手のピッチングもすばらしかった。逆転なのだから途中までは負けていたはずなのに、門前払いみたいな印象を残した。いい試合を見に行った。もちろん、どんなにいい試合でも負けたら最低の試合になるんだけど。
