指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

いい人。

気に入らない人というのがいて、プライベートならつき合わなければいいだけの話だが仕事となればそうも行かない。こういうのは相身互いなので、こっちが煙たく思っている相手は先方もそれほど好意を持ってはいないということになる気がする。だから僕は得意先の結構な数の人々からあまり好かれていないに違いない。
それでもごくたまにすごくいい人だと思える人が得意先に現れる。その人から長く連絡がないと、忙しいのか、それとも何か問題でもあるのか、と何となく気にかかる。
そういう僕なりの判断で「いい人」の一等賞に輝く方が今日仕事を辞められた。おつき合いはそう長くなくせいぜい三〜四年だけど、その情熱のあり方にすごく共感できる部分があり、気の使い方も大人でかっこよく、京女らしくどこかはんなりしていた。とても気持ちよく一緒に仕事をさせていただいた。もしかしたらすごく良いお家のお嬢さんなのではないだろうかという気もする。今までのことをいろいろ思い合わせると、それが一番無理のない解釈だ。
それにしてもとても美味(いや、まじです。)なものを幾たびもいただきましてありがとうございます。今度大阪か京都のおいしい店紹介して下さい、食べに行きましょう。もちろんおごります。