指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ツキが変わる。

 まずバイトの採用試験だけどテストはPCとかインターネットとかに関する用語についてで四択の問題が二十問くらい。PCの実技は特定のソフトウェアを使ってテンプレ通りのファイルがつくれるかどうかを試すものでブラインドタッチはまるで関係なかった。作文はその仕事をするにあたっての抱負みたいなものを書く。以上全部で一時間。用語のテストは結構わからないものがあった。実技もソフトウェア自体は使ったことがあるけど自己流なのでまるで使ったことのない機能も中にはあって、そういう機能を問われたところは全然できなかった。作文は文字数ぴったり書けたけど読み返してみたらすごく幼稚な内容で我ながら驚いた。結果はまだ送られてこない。面接で仕事の内容を聞くと思っていたのとは若干と大幅の間くらいに違っていてやって行けるか自信をなくした。なので当初のようにどうしてもこの仕事がやりたいという気合いは五割方失せた気もする。しかもうちから比較的近い場所に勤務先があるはずだったのにそこはもう人員が足りていてもう少し遠いところに努めることになると言われ、遠いと塾の授業時間にも影響が大きくなるのでそれはいやだなと思ったこともある。どうなるかは今のところまったくわからないしなんなら採用試験に落ちていてもあまり痛痒は感じないようにも思われる。
 この前中学生の定期試験があったんだけどある生徒さんの不得意教科のテストの成績が急に何十点も上がったということで親御さんがお菓子を持ってお礼にいらした。こういうのは本当にうれしい。特にここ何ヶ月か入る人が少なくて辞める人ばかりだったので自分はこの仕事に向いてないんじゃないかとか、生徒さんの成績を上げることなんてできないんじゃないかとか悩んでいたのでいやいや結果は出てるよと言われたみたいで心が一気に明るくなった。前後して久々に入塾希望者から連絡がありこれも気分を上げるのに役だった。四月以降実に半年にわたって見放されていたツキが、なんとなく変わってきたような気がする。