指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

明治な日々。

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)

『坊っちゃん』の時代 (第4部) (双葉文庫)

『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫)

『坊っちゃん』の時代 (第5部) (双葉文庫)

風邪で休んでいた昨日の午後と今日の午前で二冊読んだ。大逆事件の真相と、漱石修善寺の大患がそれぞれのテーマとなっている。両方とも知識では知っていたのだがどうしてこれほどおざなりに接してきたのだろう。特に後者は漱石の「思い出すことなど」を割と最近平然と読んでおきながら、マンガで読み始めると大喀血が描かれるのが何ページも前から恐ろしかった。高橋源一郎さんの「原宿の大患」もこんなにあるいはこれ以上にすごかったのだろうか。つか僕も潰瘍持ちなので、マンガの中で漱石が日常苦しむ描写には自分の胃が痛くなるような共感を覚えた。潰瘍は満腹になると痛みが感じられない。作中の漱石の大食らいは、もしかしたらそのせいかも知れない、と思ったりした。
平行して読んでいる養老孟司さんの「身体の文学史」でも明治がふんだんに現れる。どうも個人的に最近明治な日々だなと思うが、明治に夢中な高橋さんお薦めの本ばかりを読んでいるのでそれも無理はない。「『坊っちゃんの時代』第三部」を早く入手しなければ。