指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

源ちゃんがいた。

渋谷のブックファーストの一階で文芸新刊の平積みタイトルをチェックしているうちに高橋源一郎さんを見かけた。見かけた、つか、僕のすぐ傍らに立っておられた。そして僕が平台のぐるりをゆっくり移動するのに同じスピードでついて来られた。うまく言えないけどこのニュアンスは平積みのタイトルを目で追いながら平台を一周したことのある方には伝わると思う。誰もが大体同じペースで移動するので、前の人を追い抜かす必要もないし誰からも追い抜かれることのない「回転木馬のデッドヒート(ゆるやか版)」みたいな事態だ。ただ右に立って自分について来る人がどうも高橋さんに似ている、まあそんな奇遇はないだろうけどちょっと確認してみようか、と思って回転木馬から一歩下がったら依然回転木馬運動を続けながら目の前に現れたのはやはり高橋さんだった。いやあもうまじでふるえましたよ。ここ一年で二度トークショーでお姿を拝見したが、こんな形で三度目があるとは思っていなかった。かっこよかった。どっかがおしゃれとかそういうのと違う。素のたたずまいがそれだけでもうかっこいい。
ここしばらく仕事でいいこともないしブログにもなんか暗いことしか書いてないし今日も朝からろくなことがなかったが、これで一気に気分が明るくなった。これ以上のことは望むべくもない。
帰って来て家人にだいたい以上のような報告をしたら、抱かれたい?と聞く。それはやだ。