指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

秋の終わり。

ここ何年か冬場にひげを剃ると肌がひどくかさかさするようになった。乾燥とひげ剃りで荒れているように思われた。また若い頃はほぼ直毛だった髪に微妙な癖がつくようになって、少し髪が伸びるとまったくまとまらなくなって来た。櫛で梳かすだけで整髪料とか一切付けずドライヤーも使わないのでもともと髪はまとまってないんだけど、それが一段とひどくなった感じだ。
前者のためにCMで最近知った「UL・OS」というスキンローションを家人に頼んで買ってきてもらった。シーブリーズに似た香りがするが揮発してしまうと香りはまったく残らずそこが大変気に入った。かさかさも随分よくなった。一度つけると、洗い流しても二、三日は効果が続く。後者のためにはこれまで滅多に使うことの無かったコンディショナーを使うようになった。洗い上がりのぬるっとした感じが嫌いだったんだけど、使うと髪がしっとりして幾分まとまりやすくなった。
そういうのに対して家人が、色気づいた中学生みたいだね、と笑うんだけど、そんな春の目覚めみたいなうれし恥ずかしの心持ちでやってるんじゃない。秋の終わりの衰えを迎えて今までのままではどうにもならず、節を屈していろいろ試しているだけの話だ。別に好きでやってる訳じゃない。