指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

のんびりな時間とそうでないドラクエ。

昨日のエントリで別の用でビックカメラのおもちゃ売場に行ったと書いたが、その用とはNINTENDO DSを買うことだった。ドラゴンクエストIXの発売以来ずっと子供のDSを借りていた。でも帰省に当たって子供がそれを持って行くことになった。いとこたちと遊ぶからDSはいらない、貸しといてあげるよパパ、とか健気なことを言うが、そう言われると逆に借りづらい。あなたは子供に気を遣わせていていいのか、と家人にも怒られた。長時間の移動中に暇を持て余すことも考えられるので、ここはさっぱりと返して自分のをもう一台買うことに決めた訳だ。DS Liteにするか迷ったけど結局紺のDSiを買った。
そのドラゴンクエストIXは、ここのところプレイしない日が無くプレイ時間も80時間を超えた。でもまだ本編は終わっていなくて、慎重過ぎるのか要領が悪いのか、酔っぱらっていて翌朝何も憶えていないせいなのか、家人や会社の人に比べて進み方が遅い。昨日今日は自分なりには集中して取り組んでいるんだけど進退窮まり、ついにウェブの力を借りて攻略法を調べることにした。取り組む、という言葉に図らずも表れている通り、半ば義務感みたいなものも感じ始めた。なんて言うか正直だんだん辛くなって来た。
そうならないように随分工夫されているけど、結局物語が一本調子なのをどうすることもできなかった気がする。またアイテム数が多過ぎて頭の中で処理し切れない。どちらも自分が年を取って来たことと関係がありそうだ。物語が単調なことなど若いうちは気にならなかったし、アイテム数を多過ぎると感じるのも近年はっきり兆候を見せ始めている記憶の悪さのせいと思われるからだ。視界の端っこに置いて焦点を合わさぬよう気をつけて来た問題があからさまに突き付けられる。気分が暗くなる。
話は変わるけど家族の今回の帰省中は、掃除その他何もしないと宣言して受け入れられた。ずっと仕事が忙しかったし、休日は家人に随分楽させてもらっていたけどそれでも子供の相手は一定量受け持たねばならず、下手をすると出社していた方が楽と思われることさえあったからだ。そこで思い切って今回はやるべきことを何も持たぬまま過ごすことに決めた。本当にのんびりした気分だ。世界は止まっているんじゃないかと錯覚するほど静かに家に閉じこもっている。こういう時間が必要だったんだと心から実感する。本の山が崩れていたって気にしない。風呂も洗うのが面倒なのでシャワーを浴びるだけに留める。シンクに食器が溜まって行っても構わない。
そうして楽しいんだか楽しくないんだかわからない思いでDSをぱかっと開く。買ったばかりなのに、なんでこんなもの買っちゃったんだろう、と思う。それからそれを言っちゃあおしめえよ、と無言で自分に突っ込む。