指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

練習二日目。

くだんのゆるい下り坂で今日も練習をさせた。初めの三本くらいは昨日よりもうまく行かずに頻繁に足を付いていたので、昨日の感覚が失われてしまったものと思われた。それは仕方ないことだ。何しろまだ二日目なんだから。
それが練習を重ねるに連れ足を付かずに滑り降りて行く間隔が次第に長くなり、十五回目くらいには長さ50メートルほどのスロープを一度も足を付かずに行くことができた。まぐれかも知れないとその後五本乗らせたけれど、ほぼ無難に滑る降りることができた。すばらしい。自転車に乗るための左右のバランス感覚はほぼわかったと言ってよいのではないかと思った。叙述の歯切れが悪いんだけど、何しろ僕も手探りなのでご勘弁を。
それからどうしようか。片方だけペダルを取り付けて練習を、という提案もあったけど、今は子供にとって左右のバランスがいちばん大切と判断し、両方のペダルを取り付けてみた。ペダルを踏んで例の下り坂を行くとスピードが出過ぎてしまいそうで平地で練習させたら、僕がサドルの後ろを持って態勢を保たせていてもうまく走ることができない。それで自信回復も兼ねて下り坂に戻った。漕がなくてもいいからできればペダルに足を添えて、ここを下って行くように、と言うと、そこではリラックスできるのか難なくこなす。そこへ家人が登場して、ペダルに足を乗せてるだけでなく漕いでみろと言うと、漕いでスピードが出たときには半ブレーキで減速しつつ、傍目には全然自転車に乗れる人の体をなし始めた。
その後平地で再検証。乗り始めのスピードが不足しているときは怪しいものの、そこをクリアできれば子供は自転車に乗れるようになった。