指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

久々に区役所。

職を失っていちばん足繁く通うことになったのはもちろんハローワークだったけど区役所というのもそれまでまるで行ったことが無かったのに何度か行かざるを得なくなった場所だ。覚えているだけで印鑑登録をしなければならなかったし国民年金に加入しなければならなかったし任意だけどうちの場合は健康保険も国民健康保険に切り替える必要があり、そのそれぞれの用件で何度か区役所へ行った。それが一昨年のことで昨年のはじめは区の斡旋で金融機関から開業資金を借りるために区役所の一角にある専門の相談所を三回か四回訪れた。借りる名義を僕でなく家人にする可能性もあったのでふたりで行き一時間ほどかけて用意して行った書類をチェックしてもらったり首尾よく融資が受けられるようにアドバイスを受けたりした。大した金額ではなかったけどこの融資を受けられたことは今となっては僥倖と言うべきで、もしも受けられていなかったら数ヶ月前には自己資金がショートしてどういう形かはわからないけど親子三人は路頭に迷っていたはずだ。それをまさしくぎりぎりのところで回避することができた。融資のことをアドバイスしてくれたのはSSという友だちで本当に感謝している。
それからしばらく行かずに済んだ区役所に久しぶりに行ったのは、子供の中学校の入学式で渡された書類の中に区が行っている低所得者を対象にした給食費等の援助の申込用紙が入っていたことがきっかけだった。この前確定申告をした訳だけど昨年の年収は一昨年と比べても半分以下、よかった頃から見ると三分の一に行くか行かないかで何しろお話にならないくらい低い水準だった。皮算用するまでもなく余裕で審査を通りそうだったのでまあ確かにそれ自体がお恥ずかしい話なんだけど背に腹は替えられないので申し込むことにした。書類は区役所の他学校でも受理するとあったけどさすがに学校に持って行くのはばつも悪いし子供に見られる恐れもあったので区役所まで足を伸ばした訳だ。
書類に不備もなく提出自体はすぐに終わったので家人と二人でこまごました買い物をした。僕は新たにシャーペンを二本と新しいギンガムチェックのシャツを買い家人はアクセサリーなど熱心に見ていたけど結局ころころローラーの替え芯と明日の朝のためのパンと最近はまってる猫の置物のシリーズからひとつを買った。最後のものはずっと探していてやっと見つかった由。