指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

感想書く暇が無い。

うーん、一年経ちましたね、東日本大震災。読売新聞に載っていた鬼怒鳴門(ドナルド・キーン)さんのコメントがいたく心に沁みた。
昨年の今日以降はとにかく、日常生活を維持して続けて行くことが大事だと思いなして、何か祈りのような気持ちでこれまでと同じようにやろうとした。実際ある部分まではうまく行った。でも影響がじわじわ出て来てすごく落ち込んだり、不安でしょうがなかったり、意味がわからなくなったりと一時期結構見失った。よく鬱にならなかったと思う。家族もいてくれたし、結果的に鬱へ行くような素因が無かったのかも知れない。転回を促してくれたのは大げさでなく一冊の本で、それ以来かつて無かった勢いで本を読み、今は感想を書く暇が無くて、休みの日にまとめて書いたりしている。そんな風に日常はここ半月くらいでだいぶ取り戻して来た。取り戻せないのはたとえば仕事で、以前のような勢いで邁進することはもうできないと言うか。それはまあ震災の影響だけではないかも知れないけど。今は子供のためにもできるだけ安定していたいと思っている。もっとも一度も取り乱した訳じゃないし、冗談を言って笑わせながら結構楽しくやって来たけど。