指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

昨日のこと。

 昨日はバイトの最後に全然別の部署の仕事に初めて入って慣れてなくてすごく疲れた。人にものを教わらなくちゃならないって場合によっては結構ストレスだよね。僕も何回か新人さんに仕事を教えて来たし感触としては割に好評で僕に教えられてとてもわかりやすかったとか言ってくれる学生さんなんかもいる。でもそのためには人知れずものすごく心を砕いてる気がする。これほど露骨に想像力というものが試される機会というのもあまりないかも知れないからだ。もちろん教えるのが本職なのでわかりやすくて当たり前。でもわかりやすく教えるということが人をとても疲弊させるというのもまた事実だ。だから最近は新人さんに教える役は極力避けるようにしている。という前置きで何が言いたいかと言うと昨日僕に仕事を教えてくれた学生さんは明らかに人にものを教え慣れてなかったということだ。悪気も悪意もない。逆に親切な人だということは充分に伝わって来る。でも教えるためのスキルが決定的に足りない。それが想像力の不足を意味するのか単なる経験不足なのかははっきり言って判断が難しい。その学生さんが後者であることを願うことはできるけど。特に個人的に彼に小さな好感を持ってただけに。
 まったくのビギナーに対して教えなければならないなら僕なら初めにゴールを示すと思う。ゴールはこれこれこういうことでそのためにこれだけの作業をします。最初にゴールを設定することでビギナーが陥るエンドレス感を軽減することができる。結末を知ればそれまでの時間を物語化することが容易になるからだ。教える側がこれをしないのは教えることに不慣れでテンパってるか教えることの本質をわかってないかのどちらかだ。これができないなら教えるには不向きだと言ってしまっていい気がする。
 という訳で生温かい違和感に包まれながら時間まで仕事をした。時間は前後するけど最近よく行くパスタハウスで昼食をとってすごくおいしかった。
 今日のスイムは27分20秒で千五十メートルと相変わらずの距離数え間違い。最後の五十メートルにかかった時間を引くと26分01秒で千。これでいいのかも知れない。大切なことは続けることだ。