指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

池袋リブロ閉店。

この店でいったいどれくらいの本を買ったんだろう。不定期だけど三十年以上にわたって訪れていた。一時期は翻訳小説の品揃いにものすごく好感を持ったし、折々の新刊も随分買った。最近はまとめて教材を買うことが多く、最終日に必要で買ったのも中一向けの教材だった。でもお店自体には意外なほど思い出みたいなものがない。なんて言うか、やはり通り過ぎるところだったという気がする。いつの日も店ではなく本が目的だった。だから改装したりしてもほとんど気にしなかった。欲しい本が手に入ればそれでよかった。という訳で必要以上に感傷的になる必要もなかったけど、それでも池袋のリブロが閉店するなんて思ってもみなかったのは確かだ。店頭にマジックで書かれた高橋源一郎さんのコメントを、そこだけは感慨深く見つめてから帰って来た。