指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

バッファローズの強さを見た。

 8回の表に村上選手がバックスクリーンへのツーランホームランを打ってスワローズが3対1で勝ち越したとき試合はこれでほぼ決まったと思われた。8回の裏バッファローズは無得点。9回表スワローズも三者凡退で無得点。残すはバッファローズの9回裏の攻撃のみ。スワローズの投手はクローザーのマグガフ投手に代わる。バッファローズ打線は先頭打者の紅林選手(この人まだ19歳だって。うちの子より年下だ。)がシングルヒット、代打ジョーンズ選手がフォアボールを選んで無死1、2塁。ゲッツーを避けるためにもここは送るだろと思って見てたら続く福田選手はまんまと送りバント。ボールはマクガフ投手の前に転がりマクガフ投手はこれを拾って三塁に投げる。報道によってはこの三塁投球をフィールダースチョイス(野手の選択ミス、略称は野選)としている。つまりマクガフ投手は一塁に投げて手堅く一死を取るべきだったのに功を焦ってと言うべきか投げても間に合わない三塁に投げてしまったという見方だ。でもスロービデオによれば三塁を守る村上選手の捕球ミスのように見える。だから結局スワローズが負けてしまったときテレビカメラは村上選手の顔をアップにしたし映し出された村上選手はあんななんとも言えない表情をしてたんだと思う。とにかくこのプレイでバッファローズは無死満塁の大チャンス。まあ無死満塁は意外と点が入んないとも言うんだけど。ところが次の宗選手が低めに落ちたフォークボールを渋くピッチャーの足もとに転がしショートのグラブももう一歩届かずセンター前まで転がるヒット。三塁と二塁から選手がホームインして3対3の同点になる。このあと吉田正尚選手がセンターオーバーのヒットを放って一点が入りサヨナラ勝ち。こんな劇的な幕切れの試合を見たのは本当に久しぶりだと思った。結果的にスワローズの村上選手は勝ち越しツーランホームランを自らのエラーもあってふいにしてしまった。それより大きな問題はスワローズのクローザーのマクガフ投手じゃないかと思われる。9回裏の投球で一死も取れずに三点取られて逆転負けしたことになる。もしもサヨナラにならなければその後何点取られたかわからなかった。そんなクローザーを二戦目以降も安心して使えるだろうか。あるいは使ってもらえたとしてバッファローズ打線を抑えられるだろうか。
 昨年、一昨年のホークスみたいにジャイアンツを二年連続で四タテするような相手をまったく寄せ付けない強さもある。でも昨夜のバッファローズの強さはそれとはちょっと質が違う。たとえリードされてたとしてもどこからでも逆転できるようなそんな強さだ。今年の日本シリーズはおもしろくなりそうな気がする。スワローズの先発奥川投手の好投が報われなかったのは本当に残念だったということも付け加えておきたい。やっぱり野球は楽しい。