指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

最近の夕飯。

 前にも書いた通り夕飯をあまりたくさん食べると気持ち悪くなってしまうのでここ最近もう一年くらいになるかな適当なものしか食べてない。しばらく冷凍のパスタを食べたり納豆を食べたりしていた。でも少しすると飽きるので他のものに変える。明太子だったりふりかけだったり。最近は味付けのりを食べている。それと削り節とネギを混ぜてお醤油をちょっとたらしたものも気に入っている。昔母親が寒い晩によく湯豆腐をつくって食べさせてくれた。そのとき鍋の真ん中に大きめの湯飲みくらいの金属の入れ物を置いてそこにお醤油を注いで削り節とネギを入れた。薬味入りのその熱々の醤油に豆腐をつけて食べる訳だ。豆腐はあまり好きではなかったけどこれはすごく好きでそれだけスプーンですくって食べて怒られたりした。それを思い出してお醤油の量を少なめにして混ぜて食べたらご飯によく合ったので以来たまに夕飯にする。早い話がおかかのおにぎりの具にネギの刻んだのを混ぜたものということになる。おいしくない訳がない気もする。
 ところで夕飯がそういうものだとなんとなく気が軽い。そう考えると何を食べようかと毎食考えなければならないのはそれなりに面倒なことなんじゃないかという気もする。料理する人の負担も気になる。その点味付けのりやかつ節とネギならご飯さえ炊いてよそってもらえば後は自分でなんとでもできる。献立を考える必要もないし簡単だしそこそこおいしい。加えて安い。片付けも楽だ。誰にとっても都合がいい。もっとも家人は子供のためにはそれなりのものをつくって出してるみたいだけどそれはまあ母親なのである程度仕方ないということにさせてもらう。悪いけど。旦那はまったく別の時間にひとりで食べるのでそっちが手がかからなければ少なくともその分は楽できるんじゃないかと思う。ただし家人としては栄養面が気になるようでことあるごとに肉を食べろ魚を食べろと言う。夜は無理なのでなるべく昼にそういうものを食べるように心がけている。野菜は黙ってても食べるのでそれについては何も言わない。ということで日常生活というのはできるだけシンプルな方がいいという暮らし方をしている。もちろんお料理にとても手をかける暮らし方に対して何か含むところがある訳では全然ない。よそはよそうちはうちということだ。ただそういう風に物事をできるだけシンプルにして行くことは年を取って行くこととどこかで結びついているような気もする。