指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

先月分の明細。

 バイトの先月分の明細が出た。手許のエクセルでの集計に比べて就労時間がなぜか1.5時間多い。まあ多い分には文句を言う筋合いではない。時間外は四月の九時間に比べて大幅に減りたった一時間。計算すると時間外だと時給が倍もらえるらしい。とは言うものの時間外は最大で一日あたり30分しかつかないので大もうけにつながる可能性はない。まあ遅くまで働いたことが少しだけ労われたかなと思うくらいだ。バイト代は明日振り込まれる予定。なので18日の日曜日父の日はまたキリンシティーに行こうかと話している。
 前にも書いた通り夏が近づくとお客さんが増えて特に休日の仕事が大変になる。それで六月は土日を全部お休みにするつもりだった。でもこれまた前にも書いたように週休二日はいくらなんでもぜいたくなんじゃないかと思い直し一週間ほど前にシフト係のしーちゃんの呼びかけに応じて六月後半は土曜日の夜に二度シフトを入れた。これには今までなかった土曜日の夕方の授業が急遽入ることになったことも大きい。どうせ仕事をするんなら土曜日はお休みではなく仕事の日と位置づけ空いた時間はバイトを入れようと思った訳だ。ただ夜に比べると午前中はやはり仕事が大変なのでそこはわがままを言わせてもらってお休みするつもりだった。ところが今日になってまたシフト係のしーちゃんが今月後半の土曜日の午前中に人手が足りないとグループラインで知らせて来た。短時間で構わないということだったので一日だけに限って二時間半だけシフトを入れた。しーちゃんにはほんとに親切にしてもらってるので困ってるなら力になりたいという気持ちも強い。ただそれがわかっててこの手の連絡はもうひとりのシフト係の若造からじゃなくしーちゃんから来ることになってるのかも知れない。だって若造からの頼みなら平気で無視できるもんね。と思ってるバイトは他にも結構いるんじゃないかという気もする。
 今日は新人の学生さんに付いて仕事をした。彼に付くのはこれが二度目だ。一度目は先週の水曜日。そのときは仕事終わりに今日はご指導いただきどうもありがとうございましたと挨拶してくれて午前中いっぱい付いて仕事を教えてもそんなこと言った子はこれまでひとりもいなかったのでちょっと好感を持った。その後土曜日だったかシフトに入った彼は僕が塾の先生をしてると聞いたそうでなんかそういう感じの人だと思ってましたと言う。教えるのがうまいし静かだけどうちに熱いものを秘めてる風に見えるから。教えるのがうまいというのはたまーに言われるけどうちに熱いものを秘めてると言われたのは初めてでそんな風に見えるのかなと思ってちょっとこそばゆかった。法学部で司法試験を目指して勉強してるということででも弁護士って今は努力の割には報われないですからと言う。それはなんとなく聞いて知っていた。普段はほとんど一日中勉強しているらしい。でも法律って難しいからと言うのでそれは僕も法学部だったのでよく知ってると答える。年を取ったら最終的には生徒に勉強を教える仕事がしたいんです。じゃあ教職課程取ってるのと訊くとそんな余裕は全然ありませんと苦笑する。それもそうか。そういう理想があるなら若いうちからきちんと準備しなきゃいけない。一匹狼で人にものを教えるというのは経済的にとてもリスキーなことだからきちんとお金を貯めてある程度のリスクヘッジをしておかないとと言うと神妙に耳を傾けている。この春に大学を卒業してバイトを辞めたひろたんやかごくんなど何人かのバイト仲間に対してもそうだったんだけどこういう若い人たちがほんとに幸せになってくれるといいなと心の底から思っている。別にいい人ぶる訳じゃなくうちの子もそんな風に親身になって接してくれる人に出会ってくれたらうれしいとどこかで思ってるからだと思う。親が我が子を思うのは当たり前だけど他人だったとしても自分のことを本気で気にかけてくれる年長の人がいるということをうちの子にも知って欲しいし縁あって一緒に働いている彼らにも知って欲しい。あれ?こういうこと言うところが熱いものを秘めてるということになっちゃうのかな?