指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

このところの塾事情。

 今調べたら今年の四月はひと月で五人も生徒さんが入ってくれていた。でも最後に入ったのが四月半ばでそれ以降は三人体験授業にやって来て三人とも入ってもらえなかった。つまり五月の入塾はゼロ。まあそれ自体は別に珍しいことじゃない。ただその前が好調だったのでできればそれを維持したかったかなと思うだけだ。もちろん時期というのもあって三月四月を過ぎてしまえば新しい生徒さんというのは通常あまり望めない。それはもう致し方ない。
 先週はもともと塾に通ってきていた小六の生徒さんのお母さんから連絡をもらい私立中入試の過去問が発売されたのでその指導を追加でしてもらえないかと打診を受けた。前にも書いた通り個人的には中学受験というのに前向きではない。そんな年齢からそれほどの勉強をさせるのが正しいことかどうかわからないからだ。うちの子は小学校の勧めもあって一応受験させたけどすごいプレッシャーだったみたいでかわいそうなことをしたなとちょっと後悔してる。しかもその生徒さんはあまり出来のいい方ではない。めぐりが悪いと言うか他の生徒さんと一緒に解説を聞いててもひとりだけきょとんとしてることがままある。問題を解くのにも時間がかかる方だ。そういうことをひっくるめて家人に相談すると出来が悪いからこそ高校受験で苦労しないように親としてはエスカレーター式の私立に入れたいんだろうと言う。なるほど一理ある。けど当たり前だけどそういう親の思いと受験に合格するか否かはまったくの別問題だ。僕としては私立の受験には向いてないから止めた方がいいと思うというのが正直なところだ。そこは家人もわかってくれてじゃあ親に模試を受けさせるように勧めてその結果を見てから決めたらいいんじゃないのと言う。あまり望み薄なら引き受けないということだ。ただ模試というのは受験してから結果が出るまでにまあまあ時間がかかる。過去問の演習をもしも始めるのならなるべく早い段階で取りかかった方がいいしそうすると貴重な時間を無駄にすることになりかねない。そう言うとじゃあ受講料を上げるけどそれでもいいか尋ねてみていいと言うんだったらそこはビジネスなんだから引き受けたらいいじゃないと言う。四の五の言ってないで仕事と割り切って引き受けろということでそれは確かに新しい視点みたいに思えた。だからそうすることにした。でもあまりな高額をふっかけるのも気が退けてとりあえず受講料を数千円値上げするけどそれでもいいかと伝えてみた。するとすぐさま返事が来てそれで構わない検討に感謝すると言ってきた。一対一で授業するしかないので他に誰もいない土曜日の夕方ということで曜日も決まった。今週から始めたいと言うので僕もその過去問を土曜日までに買って来てどんな問題が出るのか調べておこうとは思っている。
 それで土曜日のお休みが授業でつぶれていやだなと自分が思ってることに気づいて実は結構驚いた。いつの間にやら土日は連休であるべきものとどこかで思い込んでたらしい。つい最近まで週休ゼロでがんばってたのに今はできれば土日は休みたいと思ってるものと見える。いやいやそれはぜいたく過ぎるぞとちょっと目の覚める思いだった。六月前半は有休消化もあってちょっともうどうしようもないけど後半の土曜日はどうせ授業もあるし少しバイトを入れようかと考えている。シフト係のしーちゃんの必死の叫びによるととにかく人手が足りないみたいだから。