指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

休日。

 朝は九時前まで眠れる。子供は試験官のバイトで朝早くから出かけている。朝食後特に用もないけど池袋へ。昼食とか酒のアテとかを買って最寄りの駅まで戻ってからも駅前のスーパーでアルコールや食糧を調達。昼前に帰宅しお風呂を洗ってシャワーを浴びて一杯やって昼食。それから昼寝。いつもの通り。先週ブックオフを見て回ったのが楽しかったので夕方またひとりで出かける。ウェブで頼んでいた「悪霊」の三巻目が届いたと知らせが来たので途中の図書館で受け取る。今は二巻目を読んでいる。一巻目はまったく読んだ覚えのないところも多かったけどスタヴローギンとキリーロフ、スタヴローギンとシャートフのひどい雨の夜の会話などはよく覚えていた。たぶんキリーロフやシャートフのことはある程度理解できたのに主人公のスタヴローギンという人物が謎だったのでそうした会話を通してスタヴローギン像をはっきり浮かび上がらせたいと思って何度も読み返したんじゃないかと思う。この作品を通しで読んだのはたぶん三回くらいだと思うけど折に触れてあちこち読み返していた記憶があるので。まあ全体の感想は三巻目までを読み終えてからまとめたいと考えている。それからいつものお稲荷さんに家人の分とふたり分お参りしてから暑いので駅ビルまで行って体を冷やす。ブックオフではまず単行本の棚で平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」が220円まで下がってたのでソッコー買う。何年か前に結構ブックオフに通っていた頃下がってないかなと行く度に首を長くして待ってた作品。人気があったのか結局それほど値崩れしなかったので買いそびれていた。それが220円はとてもうれしい。待てば海路の日和あり。その後文庫を見に行くと見つけたのはちくま文庫版のイタロ・カルヴィーノ「魔法の庭」。カルヴィーノはなんとかいう小さな出版社からかなりまとめて翻訳が出てたと思うんだけど訳がひどくて読めたもんじゃなかった覚えがある。その他の出版社から出てるものは手に入る限り買ったつもりだったのにこの「魔法の庭」というタイトルには覚えがない。いや忘れてるだけでもしかしたら持ってるかも知れない。でもまあいいや。これは税込550円で若干高めだけど買うしかない気がしたので買った。それから絵本の棚を見てるとアロイス・カリジェの「ウルスリのすず」が750円でしかもレジで半額というシールが貼ってあるのを見つけた。岩波のこれより判型の小さな「アルプスのきょうだい」という絵本にこの作品が収録されていてそれは子供の頃持ってた。何度も繰り返し読んだ懐かしい作品だ。子供の頃持ってた絵本を集め直すというのがここ二十年くらいのライフワークになってるのでこれも買うことにした。計千円ちょっとの出費。村上春樹さんの作品を除けばそんなに本を買うのって本当に久しぶりのことだ。でもまあすごくわくわくして楽しかったのでよしとする。帰りにスーパーに寄って家人に頼まれたものを細々買う。夕飯はそうめん。家人は前にも書いた通りそうめんをゆでるのが本当に上手ですごくおいしい。バイトから帰ってきた子供とおなかいっぱい食べた。バイトは明日からまた六連勤。明日は仲よくしてくれたバイトの女子学生の最後の勤務なので例によってシャーペンをあげようと思っている。