指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

楽しいけど疲れる。疲れるけど楽しい。

 中学生はどの学校も大体定期考査が終わった。定期考査前は授業をやらずに自習にしている。塾を始めてしばらくは定期考査が近づくと試験範囲の問題演習をしていた。それが自習にして欲しいという声が多くなったのでその通りにして質問とかは受け付ける形をとっている。だからここ十日あまりは自習ばかりでまあ楽と言えば楽だけど張り合いがないと言えば張り合いがなかった。今日は久しぶりの授業で数学と英語をやった。誰でもそうなのかも知れないけど自分が説明したことを理解してもらえるというのはうれしい。学習塾を始めて今も続けている原動力になってるのがそのわかってもらえたときの喜びだ。だから授業をすること自体は基本的にとても気に入ってる行為だ。ただ熱がこもればこもるだけ疲労も蓄積される。という訳で久しぶりに楽しかったけどとても疲れた。でも疲れたけどとても楽しかった。なんかつらいばかりじゃない仕事に就けてそれはそれで幸せなのかなあとも思うことがある。そういう風に考えるとまあたぶん今の自分は子供の頃を除けばこれまででいちばん幸せなんじゃないかな。この六十年間でいちばんね。チャールズ・チャプリンが映画「ライムライト」で言ってる通り。「人生に必要なもの。それは、勇気と想像力そして少しのお金だ。」