指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

自分を甘やかさない。=時計に着いて行く。

 朝食抜きでいつもよりほんの少しだけ遅めにプールへ行く。でも始業までには一時間以上あるのでゆっくり泳ぐことができる。そろそろ本気で不調と向き合おうと決めた。まず力を入れすぎないことをできるだけ心がける。これがなかなか難しくてお客さんの中にはとても楽そうに泳いでる人もいるんだけど僕はあまりそういうことができない。割に力いっぱい泳ぎがちだ。それが疲労や呼吸の苦しさの元になってる気がする。だから意識して力を抜く方向で泳ぐ。もうひとつは当初の目標であり自分なりのペースでもあった五分で百五十メートルをできる限り守ろうと改めて心に決める。十分で三百メートルくらいまでは着いて行けるんだけどその後時計にずるずる追い抜かれて三十分で泳げるはずの九百メートルの段階で悪くすると五分近くも超過してしまう。アップルウォッチによると五十メートルを1分3秒から1分10秒くらいで泳いでいる。仮に1分7秒くらいをアベレージとすると百五十泳ぐのにその三倍つまり3分20秒くらいかかることになる。ということは残りの1分40秒ほどなら休んでいいということだ。三で割ると五十メートル泳ぐ毎に30秒程度なら休める。現状それ以上休んでるから5分で百五十メートルを守れない訳だ。五十メートル泳ぐのに1分ちょいというペースは後半になってもほぼまったく落ちないので一回の休みを単純に30秒以内に収めれば最後まで同じペースで泳ぎ切れることになる。ただしそうするには常に自分を甘やかさず多少つらかろうがなんだろうが時間内に次の五十メートルへ挑む覚悟が必要だ。たぶん少し前の自分にあって今の自分にないのがその覚悟ということなんだろう。30分以内に千メートルというかつての目標もこの調子じゃどうせ達成できる訳ないと最近は思っている。それは甘えだ。しかし甘えてる場合ではない。もしも目標がありそれを達成したいと望むならば。という訳でサッカーのドリブルみたいに自分を蹴飛ばし蹴飛ばししながら休みを30秒以内に抑えて泳ぐ。15分後四百五十メートルのところで時計に追い抜かれそうになるも辛うじてペースを維持し30分以内に九百メートルが達成できた。結局32分41秒で千メートル。これは金曜日のタイムより6分近く速い。最後の百メートルも2分41秒で泳げてるので休んだ時間は20秒程度で条件を満たしている。強い目的意識を持つだけでこれだけの差が出るなんて我ながらかなり驚いている。あとはそれを維持するだけだ。
 春期講習も終わったしバイトもないので午前中から家人と買い物に出かける。あとは大体いつもの通り。先週体験授業をしたふたりからは連絡がない。たぶん駄目だったんじゃないかと思う。まあでもそういうのは悔やんでもしかたないのであまり気にしない。明日は本当に久しぶりに午前中バイト。うまく体が動くかちょっと不安だ。