指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

TVドラマ電車男、カテゴリーを立ててみました。(がその後削除しました。)

テレビドラマ「電車男」でカテゴリーを立てることにした。最終回までおそらく毎週触れることになりそうだからだ。普段テレビドラマなど見ないのだけどこれにはとてもハマっている。

結局先週の心配は杞憂だった。店長はエルメスに対してスレについては触れることなく終わった。おまけに結果的にはかなり損な役回りを担わされることになり、ドラマ全体の雰囲気をこれまで通りに保ったと思う。

今回顕著になった、店長がエルメスのことをともすれば「沙織」ではなく「エルメス」と呼びそうになる描写が重要に思えた。それまで店長にとって「沙織」は幼なじみないし妹的存在だった。それが「毒男」スレを読みエルメスの正体に気づくことによって、旧来の「沙織」のイメージが「エルメス」のイメージにとって替わられた、そういうことを意味する描写だと思う。それはおそらく、店長が本当に憧れているのは「沙織」ではなく電車とエルメスとの恋のあり方*1そのものだということを示唆している。ふたりの恋の物語が持つ魅力に感染し、自分自身をそれになぞらえることによって、店長のエルメスへの思いは成り立っている。これが店長がエルメスの正体に気づくという設定を導き入れた、今のところ一番の理由のように思える。店長の恋の行方を予想するのは難しいが、このまま終わってしまってもいいし、終わらずに続くとしたら、どこかで電車とエルメスの恋の魅力をより際立たせるために使われるのではないだろうか。

また、エルメスの電車に対する怒りの中に、男のささいな嘘に寛容になれない自分自身への怒りもかなりな程度含まれているように描かれていて、物語全体に厚みを加えた気がした。

ホリケン演じる「秋葉カンペー」も楽しかった。せっかくだしカンペ1枚くらい出してくれたらよかったのに。けつかっちんだったとしてもさ。

*1:それを「純愛」と呼ぶかどうかは措くとして。