指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

オープニング。

ここ一ヶ月ほどをかけて徐々に準備し先々週末から先週いっぱいをかけてひとつ大きめの仕事を仕上げた。大きめのと書いたけどそれは僕にとってということで、世間的に見ればとてもささやかなイベントの仕事だ。今日がその初日だったので挨拶がてら様子を見に得意先を訪ねた。
このイベントは細部や場所を変えながらもう40年以上にわたって続いているそうだ。僕はそのうちの4分の1くらいに関わっていることになる。デパートで行われる大がかりな催事も年間にいくつかあり、それと比べると集客も売り上げもお話にならないくらい少ないんだけど、老舗の伝統あるイベントということで毎年それなりの力を傾けて準備してきた。別にそれで誰かから評価されたり労われたりということはない。そういうところが負け組のゆえんでもあるんだけど、仕事ってそういうものですよね。誰がどうこうということではなく自分なりに工夫したり何か思いついたりしながら少しずつでも仕事の質を上げて行く、そういう自己満足な面を持っていると、仕事はおもしろくなって行くと思う。
これから冬にかけて系列店での同種のイベントが何本か予定されている。クリスマス商戦の準備もある。一年間の仕事には暇な時期と忙しい時期とがあるけど、9月から12月までは間違いなく毎年忙しい。自分では一生紅葉狩りに行けない職業と称している。