指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

消耗。

こういうことをつらつら書くことに一体どんな意味があるのかわからない、と思い始めるともう書くのをやめてしまってもいいんじゃないかという気がして来る。今は仕事が本当に忙しくてそれでも家人や子供とは日々きちんと向き合っているが、本を読んだり文章を書いたりする余裕が持ちにくい。時間もそうだけどそれ以上に精神的に落ち着かない。何も手につかずぼーっとしている。そうして仕事のことばかり考えている。
先週火曜日に仙台、水曜日に盛岡とイベントの設営のはしごをした。そのときはそういう実感はなかったがこれがかなりこたえたらしい。帰って来てみると、もともと薄い影が余計に薄くなって自分が幽霊になったような気がした。木曜、金曜は二日の留守の間にたまった仕事を片付けるので終わった。
土曜日は、TV番組でベーゴマに興味を持ったらしい子供とベーゴマを買いに行った。東京ドームシティーの駄菓子屋さんに置いてあることは憶えていた。ベーゴマを回すのは初めてだったが駄菓子屋さんが回し方を書いた紙をくれたのでそれを見ながら一時間ほど練習し、三回に一回くらいは回せるようになった。でもひもの巻き方が難しくて到底子供にはできそうもなかった。もう少し大きくなってからね、と言ってしまっておくことにした。指に鉄の匂いが残った。
日曜日は午前中子供をプールに連れて行き、ここ何週かそうしているように遊んだり休んだりを挟みながら二百メートル泳がせた。夕方には子供を連れて散歩に出て久しぶりに幼稚園を通りがかった。子供が懐かしそうにしていたが、僕も懐かしかった。
月曜日はまたイベントの設営だった。夕方帰社すると、ゴールデンウィーク中に予定されている事務所の大幅な模様替えに先立ち、念のためすべてのパソコンのデータをバックアップする計画を持ちかけられた。と言われても水、木、金の三日間しか残されていない。これとは別に会社のシステム全体をごっそり入れ替える計画もあって、業者から長い時間をかけてヒアリングされた。全然仕事にならない。
こういうことをつらつら書くことに一体どんな意味があるのか、本当によくわからない。