指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

「東京奇譚集」を読み終える。

三日連続で同じ本の話題ですいません。「東京奇譚集」を読み終えた。なんかすごく充実した気分だ。
今考えているのはなぜこれらのお話がわざわざ事実だと断られなければならなかったのかということだ。前にも書いたように全編がフィクションとして読みうるし、またすれからしの読者がそう読んでしまうことも予見できると思う。僕が作者なら(という恐れ多い仮定をしてみると)、わざわざこれはみんな事実ですなんてことはたぶん絶対に言わない。
もしかしたら本当に事実なんだろうか。本当に事実だったとしてもそれは作者以外の誰にもほとんど意味を持たないと思うんだけど。これについてはもう少し考えてみたいと思う。