指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ウルトラマン・ブーム。

先日家人の実家に帰省した時近くに住むいとこたちから洗礼を受け、子供はにわかにウルトラマンのファンになった。ビデオやDVDを借りてきては興味深げに見ている。僕にとっては何となく時系列に並んでいるウルトラマンシリーズが、子供の中では割とごちゃごちゃになっている。新しい、古いに関わらずどんなウルトラマンでもウルトラマンありさえすればいいらしい。
ウルトラマンウルトラセブン帰ってきたウルトラマンくらいまでは、リアルタイムで観ていた記憶がある。どの主題歌も今聴くと何となく血が騒ぐ。もしかしたら子供たちにとってものすごく有効なフォーマットがそこにはあるのかも知れない。
僕が一番好きなのはウルトラセブンだ。何だか知らないけど物語にものすごい深みがあったように記憶している。番組の本当のテーマは孤独だったのではないかという気さえする。子供向けなのに。
先日のトークセッションで高橋源一郎さんは、最近新人賞に応募して来る人には先行する作家からまるで影響を受けていない人が出て来ている、という趣旨の話をされていた。読んでないからですかね、という司会の方のコメントに、でも変な呪縛が無くてとてもいいことだと思う、といった風に話をつなげられた。さすが、と思った。
その伝で行くと、どのウルトラマンも横並びに見えている子供はウルトラマンの呪縛から自由なのかも知れない。主題歌を聴いて何十年後も血が騒ぐということはないかも知れない。でもとりあえず、ウルトラマンシリーズのどれでもいいから初めから最後まで見通し、物語になじんで欲しいと僕は思っている。できたらウルトラセブンがいいんだけど、そういうのは押しつけだろうか。