指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2008年、第一週目の仕事。

年一回だけ商業誌から頼まれる原稿の締め切りが1月10日で、正月休みの最終1月6日に書き始めた。1600字のうち半分の800字あまりを二時間かけて書き上げその時点で残りの展開もはっきり見えていたのであと二時間あれば書き上がるだろうと見当をつけた。
7日の仕事始めは終日年始回りでくたくた。この日履き下ろしたばかりの靴で長距離を歩いたのもよくなかった。帰ってから残務処理をしなければならず結局遅くなった。
8日は外回りと出荷作業で一日が終わった。この二日間でかなり消耗させられたので9日は予定していた外回りをキャンセルして社内の仕事をすることにした。すると午後になって得意先の一軒から電話で、今日着で依頼していた商品がまだ届かないが手配はされているのかと問い合わせがあった。それは毎年同じ時期に依頼される仕事なので当然こちらの頭にもあったのだが、残念なことに今年に限って依頼を受けていなかったのでおかしいとは思っていた。だからその旨を述べた。すると先方の発注ミスであることが明らかになり、額にして百万円弱の商品をできるだけ速やかに納めて欲しいと改めて依頼された。それで急いで先方の依頼額を少々上回る程度の商品を用意して翌日着で送り出したときには午後六時も近かった。そろそろ原稿にかからないとさすがにやばい気がしたので机の前に陣取り、6日にメールに添付して会社まで送っておいた書きかけのファイルを開いた。それできっかり二時間かけて仕上げ、すぐに送ってしまってもいい気がしたのだが翌日また気分の切り替わったところで読み返してからでもいいのではないかと思い返し帰宅した。上司から飲みに行こうと誘われたが断った。
10日の午前中原稿を細かく直して先方に送った。昨年は一度ダメ出しを食らったが今年はこれで問題なく終わるのではないかと気分が軽かった。その後外回りに出かけ夜は業界の新年会で社長や上司に連れ回されて結局二時間弱で三十枚近くの名刺を交換した。寿司を十貫と小さな容器に盛られた天ぷらそばを三杯、オードブルを適当に二皿食べ白ワインを三杯とウィスキーの水割りを五杯飲んだ。おなかはいっぱいになったが酔いは来なかった。久々に口にした水割りがひどくおいしかった。という訳でこの日も遅くなった。
11日朝原稿の依頼元からメールがあり一発OKになった。この日は返品の片付け日に当たっていて年末から貯まっていた百箱を超える返品をみんなで片付けた。結構集中できて楽しかった。午後になると飛び込みの仕事が相次いで二件来て、いずれも納期までの時間が短いのであわてて取りかかりそれなりに目鼻を付けた。今年になって初めて早めに帰れそうかなと思っていたら、午後七時前から緊急に打ち合わせということで結局五日間全部帰りが遅くなった。
疲れ果てていて朝九時半くらいまで寝ていた。朝食をとった後ベッドで横になっていたら眠ってしまい、十二時半に起こされて昼食をとった。昼食後も一時半から四時前まで寝ていた。要するにやけに寝ていた。