指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

プール教室見学。

子供は週に一度プール教室に通っていて普段は家人が連れて行っているが今週はその時間帯に小学校の説明会が重なってしまい、送っては行けるけどプールから上がった後の着替えなどができないので頼めないかと言われた。僕は僕で週に一回同じプールに連れてっているので勝手はよくわかっているしプールは会社から歩いて五分もかからないところにあるので、説明会に出かけた家人が帰って来るまでの一時間ちょっと会社を抜ければよいことになりそれくらいなら造作もないことなので引き受けた。教室が終わる少し前に行って子供たちが指導を受けるのをお母さんたちに混じって見学した。ちょっと何かができるようになるとすぐに子供たちに声をかけてくれる指導員ばかりで、すごくいい教室なんじゃないかという印象が残った。
教室が終わった後シャワーを浴びた子供を更衣室で待ち受け体を拭いて服を着替えさせた。一般へのプール開放の時間が迫っていてその前に清掃員が入ることになっており、清掃員は早く出て行くようにせかすという話だったのでとにかく手早くドライヤーで子供の髪を乾かした。
更衣室から出ると幼稚園で同じクラスの女の子とその弟さんとお母さんが帰り支度をしていた。ちなみにその女の子は以前子供に手紙をくれたことのある○○ちゃんで、偶然だが同じ水泳教室に通っている。教室が終わった後はいつも彼女たちと、もう一人同じクラスで水泳教室にも通っている男の子とその弟さんと、うちの子の五人でお菓子を食べると家人から聞いていた。ただ男の子の兄弟は、お母さんがうちと同じ小学校の説明会に行かねばならず替わりにおばあちゃんが連れて来ていたため、おそらくお菓子の件を知らないおばあちゃんと一緒にすでに帰ってしまっていた。それで○○ちゃんと弟さんと子供の三人でお菓子を食べることになった。
その光景がすごくよかった。年上のふたりが争って自分の分のお菓子を小さい弟さんやお互いや親たちに分け与え、弟さんは我関せずでもりもりと食べる。すごく平和で穏やかで子供らしい気づかいにあふれた時間だった。
聞けば今でも子供にいちばん優しくしてくれる女の子は○○ちゃんだということだ。それが何を意味するかわからないまま、四月からふたりは別々の小学校へ通うことになっている。