指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ユニークな子。

家人によると幼稚園の延長保育を担当して下さる先生が今日、子供をユニークな子と評されたそうだ。この評は思いの外心に残った。ユニークというのは両義的でいい意味だか悪い意味だかわからないところがあるからだ。それについてあれこれ勘案していたら家人は畳みかけるように家人の姉とクラスメイトのお母さんのお姉さんが、子供について同じ表現をしたことがあると言い出した。ふたりとも保育士の資格を持っていて現場で働いていた経験もある。つまり任意の三人の保育士が一様に子供をユニークだと思ったことになって、そこには考えるに値する共通の何かがあるのではないかと想像させるに充分だ。確かにちょっとエキセントリックなところのある子だとは思っていたけど、子供たちを見慣れた人にはそれがわかるんだなとその察知力に感服した。
でもユニークな子という言い方は、今後どういう方向に子供を導けばいいかという課題にはほとんど役に立たない。早い話が変わり者だと言われているのと同じだからだ。でも一方で家人と僕との間の子供なのでそりゃ多少変わり者でも仕方ないという思いもある。でも誰もがユニークと言いうる子供たちの中で特に名指しでユニークと言われるほどうちの子は筋金入りのユニークさを日々まき散らしているのだろうか、とか、とりあえず思いは千々に乱れている。