指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

漢字の練習。

学校での子供の漢字のテストが散々たる出来だった。漢字についてはくもんで遙か先まで勉強しているはずなので、どういうことかと子細に見てみると、まあ大目に見れば書けると言えば全部書けてはいる。少なくとも他の字と混同されたりする余地のある字はないし、嘘字も無い。では何がいけないかと言うと、何しろどの字も適当に書いてある。読めりゃあいいんだろという声が聞こえてきそうなほどだ。漢字には、と言うか仮名もそうなんだけど、はねるとか止めるとかはらうとかいうのがあってそれがすべてきちんとできていないとその字が書けたとは見なされない。少なくとも先生はそこまで含めて学校での指導とされている。そのことの是非をここで問題にしても仕方ない。肝心なのはあるルールがあってそれに従えるか従えないかということだ。子供はルールに従うことが大変苦手な方だと思うので、少しは従うことを覚えた方がいい。そう判断して細かいところまで立ち入って家でも子供に漢字の練習をさせている。
そうしているうちに気づいてすごく驚かされたんだけど、「森」という漢字は、学校の指導に拠れば「木」の字を三つ書けばそれで済むというものではない。二つ目の「木」の四画目、書き始めから言うと八画目の左上から右下にのばす線だけ止めなければならない。それ以外の斜めの線はすべてはらうのにだ。要するに「森」の字の左下の「木」は正確には「木」ではなく、木偏だということになる。そんなのご存じでした?僕は知らなかった。書道とかなさる方には自明のことなのかも知れない。
これがくもんなら「森」の形に「木」の字を三つ並べて書いただけで余裕で○がもらえる。学校ではそうではない。ダブルスタンダードなので子供は混乱するかも知れない。でもより細かいルールをクリアすることの方が難しいし、より難しいことをマスターする方が価値がある、という方向で子供を指導している。そして時々お前の判断は間違ってるんじゃないかと自問する。そう自問せずにはいられないからだ。