指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

エコと親心。

以前エコという言葉はまだ曖昧なものなんじゃないかということにちょっと触れたけど、たとえばレジ袋を使わないためにエコバックを持参しようみたいなキャンペーンと言うかムーブメントと言うかそういうのがあって、これは原理的に言ってすごく胡散臭い。資源の節約で地球に優しく、という言い分と、レジ袋を提供しないことによって経費を節減したいという企業側の思惑とは、どこまで突き詰めても見分けがつかないからだ。エコという隠れ蓑を使って企業が経費を浮かせているだけだと見えなくはないし、個人的にはそう見なしてしまって構わないと思っている。
どこかで同じ事態を体験したことがあると思い、思い当たったのが自分の親のことだ。子供に対してあなたのためだからできるだけいい学歴を、という論旨を度々使ったが、それは子供がいい学歴を持つことで自分たちがメリットを得たいという思いと、どこまで突き詰めて行っても表裏をなしているとしか思えない。メリットと言ったってたかだか親戚に鼻が高いとかそういうくだらないことなんだけど、くだらないからと言って彼らにとって重要でないとは言えない。
一方は地球のため、片や子供のため。どこへ出しても恥ずかしくない、立派なお題目だ。だからこそ何か別の目的の隠蔽工作に使われやすい。
振り返って自分が子供にどう接するかだけど、少なくともそれが何かを隠蔽している可能性が否定できなければ、そのことを親の側からはっきりと説明しなければならない、というところまでは腹をくくっている。