指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

部屋の契約更新。

二年に一度、借りている部屋の更新をしなければならないので今日不動産屋へ行って来た。ここに移ってから12年が経とうとしている。ということは結婚12年目ということだ。夏には丸12年になりそのすぐ後で子供は10歳になる。経ってみると月日というのはあっという間だ。
それとは関係ないけど長い前髪をうっとうしがっていた子供が、いつの間にか自分で髪を切っていた。それもかなりばっさりやったみたいで明日から帰省するのにどうして今日になってそんなことするのよもう、と家人はおかんむりだ。でもそのままにしておく訳に行かなかったので急遽床屋に連れて行った。自分で前髪切っちゃったみたいで、と言うと、年配の女性の理髪師さんはそうみたいですねえ、とちょっと困ったように答えた。なんとか目立たなくしていただければありがたいんですけど、と言うと、この短さに合わせるとなるとバリカンかけて全体的に随分短めにしなければなりません、と言うので、構いません、恐れ入りますがよろしくお願いします、と言って待っていた。
バリカンで後ろを刈り上げた後もはさみでばっさばっさと髪が切られて行く。ちょっと前のアイコニックさんみたいになりそうな勢いだ。子供は大変不安そうにしている。でもそれと察した理髪師さんが、心配いらないからね、大丈夫だからね、と話しかけてくれていたと後で子供から聞いた。
できあがってみると確かに随分短くなったけどそれはそれでかわいいと言うか、控えめに言っても全然変じゃない。午後遊びに行くと友だちが元に戻るまで一ヶ月くらいかかりそうだねと言ったそうだ。一ヶ月じゃ元に戻らないだろう、と子供には聞こえないように家人と話す。