指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

そうめんがうまい。

 そうめんは家人のこだわりで揖保乃糸という銘柄を買うことになっている。ゆでて出来合いのつゆを薄めたものにチューブのしょうがとパックされた刻みねぎを添えて食べるんだけどこれがもうものすごくうまい。ゆで具合が絶妙で真ん中に芯のようなものの残ったパスタで言えばアルデンテ状態で噛み応えがすごくいい。すでにごちそうだと思う。そんなに食べられないと言うんだけどいつも多めに取り分けてくれるので残そうと思うんだけどあんまりおいしいので残せなくて後で苦しい思いをする。子供はそれだけでは足りないので買って来た天ぷらなんかを一緒に食べている。もっとも麺だけでも僕の倍は食べる。最近家人の手料理もなかなか食べられないのでこんなささやかな形でもすごくおいしいものをつくってもらえると本当にうれしい。

 ツイッター経由で未知の版元から原稿依頼があったんだけど今は手いっぱいなのでやんわり断りつつ将来的には組んで仕事をする可能性もあると伝える返信をできるだけ丁寧に書いて欲しいと頼まれたのでうちではビジネス文書っぽいのは僕の受け持ちなので引き受ける。こういうのはできるだけ早く返した方がいいと思ったので昨夜の足の止まった状態でありながら一時間ちょっとかけて文面を考えて家人に見せるとそのまま先方に送ることになる。すると先方からもすぐに返信がある。ビジネスマナーの身についた割にきちんとした人なんじゃないかと思われる。信用を重んじている。家人はこう見えて八月までは仕事でいっぱいだと言う。その割には少なく見積もっても日に三時間くらいはゲームをやっていて本当に大丈夫なのかねと思う。いずれ修羅場がやって来て僕たちの食生活はさらに手のかからないものになるだろう。