指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ちょっと掃除。

このままなら、ということは福島第一原発によほどのことが起きなければということだけど、つか、すでによほどのことは起きてしまってる気もするけど、とにかく都内の放射線レベルが今のような感じで漸減しているなら明日家人と子供が帰省先から帰って来る。日をおかずに一学期が始まる。それで今日はちょっと子供の机周りなど掃除してみる気になった。おもちゃやがらくたが詰め込まれているチェストを整理し捨てるべきものは捨てて三年生のテストや工作や習字や宿題などをまとめて収める。必要かどうかいちいち確かめながらやるので結構時間がかかる。それから床に何面にも積まれてしまった僕や家人や子供の本を、せめて床に直置きにはならないようになんとかする。本のリストラ対象者としては家人と僕でしばらく攻防を繰り広げている作家がひとりいるんだけど(なにしろその人の本だけで100冊近くある上、八割はハードカバーなので。)、一息に捨ててしまうところまでは思い切れない。それで古いコミックとかヲタ時代の名残のアニメージュ文庫とか買ったはいいけど今後も読みそうもない本とかなんで買ったか自分でもわからない本などを捨てることにした。全部で五十冊ちょっとでこんなもんじゃ完全に焼け石に水だけど、自分の分の床置きの本は前述のチェストの上を片づけてその上に積み、家人の分は自分でなんとかしてもらうことにして(ひっどーい、という声が耳元で聞こえるようだ。)、とりあえず子供のために本棚を一段確保した。「銀河鉄道999」のハードカバーもポケモンの攻略本もコロコロコミックシートンやホームズやアンネ・フランクもみんな収まってまだ結構な余裕がある。最近なんだか本を読みたがるのでそしてそれはこちらとしても大変うれしいことなのでインフラを整備してやった形になる。
昨日は一日本を読みながら、原発のことや結構大きかった余震や、会社での懸案事項などが頭から離れなくて一昨日からの暗い気分を引きずっていた。でも子供の新学期のために準備しておくというのは大げさに言えば明日は来る、未来はあると信じることだ。それこそが生活という小さな物語の意味だ。新学期を迎える子供のことをあれこれ考えているうちに一気に気分が明るくなった。