指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

読み返したかった。

エレンディラ (1983年) (サンリオ文庫)
この前「百年の孤独」を読みながらしきりにこの不思議な短編集のことが思い出された。いや思い出すと言えるほど内容を覚えていた訳ではないんだけどいくつかの強烈なイメージがフラッシュバックのようによみがえり次はこの本を読み返そうと思わされた。もちろん「百年の孤独」のような腰のどっしり据わった語りのダイナミズムは無いんだけどイメージの力が強いのと何かがずれているような違和感がこの作品集を特徴づけていると思う。でも本当はよくわからないところもある。たとえば「蟹を殺す」という行為だけど食べるために殺すのか、蟹が何か害虫みたいな位置づけで駆除するために殺すのかよくわからない。そういう意味ではもう少し風俗みたいなものに通じていないと十全に理解することは難しい気もする。もしかしたらそれは長編を読むときにも言えることかも知れないけど、短編を読むときの方がより気にかかる。もう少し詳しい解説みたいなものを読みたい。