指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

二人目。

家人の書いたものが本になることになった。僕はこれまで家人も含めて三人の女の人とおつき合いしたんだけど、自分の本を出すのは家人が二人目で、そういう業界と一ユーザーとして以外まったく関係の無い暮らしをしてる身にしては割に珍しいことなんじゃないかと思う。家人はとても意志の強い人なので自分の書いた本について僕に知られたくなければ一生それについては話すことなく終わるはずだったしその覚悟もある程度してたんだけど、中には目を通さないという条件で見せてくれると言う。せっかくなので出版社から作者に何冊か送られて来る分ではなく書店に並んでいるところを見たいと思った。それでふたりで見に行くことにした。この本については他にも因縁めいた話があるんだけど残念ながらそれはここに書けない。ただ運命というのはあるのかも知れないと最近考えるようになったとだけ記しておきたい。