指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

あまりぎすぎすした環境には身を置きたくない。

売り場の責任者と三十分以上話し合った結果バイトを辞めるかどうかの決断を今週中にすることになった。どこもそうだと思うけど今のバイト先も人手不足なのでできれば続けて欲しいしそのためならある程度の譲歩はするしなんなら僕に文句を言ったバイトの先輩にも話をすると先方は言う。でも僕としてはあまりぎすぎすした環境には身を置きたくなくて、その一言を別の言い方で何度も繰り返す話し合いとなった。利益追求ファーストの考え方にそもそも個人的にはなじまない。どこにでもそういう人はいたけど、いつも、いやだな、ああはなりたくないなと考えていた。そういう倫理がどこから来るかはわからない。単にそんなにがんばる覚悟が足りないだけかも知れない。人との交渉が苦手ということかも知れない。人生全般に対する見方が甘いだけかも知れない。でもいずれにせよそういう人たちに常に違和感を持って来たし、そういう人たちと深く関わらないようにしてこれまでやって来た。そういう人たちと深く関われば遅かれ早かれぎすぎすして来る。個人的にはもう少し気楽に生きて行きたい。もちろん塾の後押しがなければどんなに嫌な職場でも我慢して通わなければならない。でももしかしたら塾もやっと軌道に乗ったかも知れないしバイト先にはいろいろわがままも聞いてもらえることになったけどやはり辞めるべきかも知れない。