指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

おしまいと新しい始まり。

 

波の絵・波の話

波の絵・波の話

 

  「女のいない男たち」まで読んで、ひとまず短篇集はおしまい。次はエッセイとかだけど年代順に読もうと思ったら「村上朝日堂」も「村上朝日堂の逆襲」も見当たらない。前者は文庫を後者は単行本を持っていたはずなんだけど。それで比較的古い「波の絵 波の話」を読んだ。これは文庫化されてないみたいなんだけど例によっておそらくブックオフで買った単行本を持っている。ただ文庫で持ってる「使いみちのない風景」となぜか(おそらく写真を撮ってるのが両方とも稲越功一さんという方だからだろう。)ずっと同じものだと思っていた。文庫化に当たっての改題というのもない訳じゃないから。ところが昨日ちょっと本腰を入れて本棚をひっくり返したら「使いみちのない風景」のペーパーバック版の単行本というのが出てきた。買った覚えがまったくないんだけど単行本が出てきた段階で「波の絵・・・」と「使いみち・・・」が違う本だと気づいた訳だ。それで「波の絵・・・」だけど古いアメリカの曲、ドアーズとかビーチボーイズとかの訳詞がいくつかとレイモンド・カーヴァーの短篇の翻訳が一篇、それに短篇のようなエッセイのような短い文章がいくつか収録されている。カーヴァーの短篇は他人の家の写真をポラロイドで撮ってそれをその家に住む人に売りつける義手の男の話でこれはどこかで読んだ覚えがある。でもその他は読んだ記憶がなかった。写真と文章は基本的にはそんなに関係ないと思う。写真は1975年頃から1983年頃の主にハワイやニューヨークなど海外の風景を撮ったもので今見るとなんとなく懐かしい気がする。

 アマゾンで探すと四千円近くから数万円の価格で手に入るみたいだけどよほどのマニアでなければ手は出さないだろうなあ。