指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

やるときはやる。

 なかなかそういう機会はないんだけどその気になればかなり破壊力のある文章を書くことができる。相手がとても理不尽だったりこちらをあまりに軽視した言葉をかけて来たりしたときだ。この前そういう文章を書いたのは不動産屋に対してだった。隣人のたばこの匂いが階段に充満してることに対して何とかして欲しいという趣旨のメールを不動産屋に書いたらリテラシーというものが足りないのかすごく見当違いなことを返して寄越した。それでもとにかく彼らの想像力の枠内にある何らかの手は打つつもりのようだったのでしばらく待っていた。でも状況は一向に改善しない。それで頭に来たので本腰を入れてクレームのメールを書いて送った。この辺についてはここでもちょっとだけ触れたと思う。彼らは翌日飛んできて現場の写真を撮り新たに講じることのできる換気の方法についていくつかの案をメールで送って来た。そして渋る大家を説得してかなり徹底した換気の手段を施した。おかげで問題は随分解消した。そういうことをさせるくらいの文章は書けるということだ。別に脅すとかそういうことじゃない。ただ相手の見当違いを的確に指摘してその見当違いでどれだけ迷惑を被っているかをなるべくわかりやすく書いただけだ。
 何日か前にもそういうメールを書いた。塾の生徒さんの保護者に対してだ。授業のやり方に関してクレームめいたメールを寄越したからだ。読んでるうちにはらわたが煮えくりかえるほど腹が立った。それでひと言で言えばよく知らないくせに余計な口出しすんじゃねーよばーかという趣旨の文章とこれはやや反則かとも思ったけどその子がどれほどルーズな子で他の生徒さんにときとしてどんな迷惑をかけてるかということを合わせて書いて送った。悪いけどやるときはやる。そしてやるとなったらどんな逃げ場も残さずこてんぱんにのす。二、三日経つけど返事は来ない。僕だったら即座に謝罪のメール書くけどねあんなメールもらったら。