指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

いい子なんだと思う。

 一昨日と昨日の続き。その子のことを小六から知っている。初めはすごくおおらかでまっすぐな子という印象があって実は結構好きだった。ただ中学に入って部活を始めてからだんだん怪しくなって行った記憶がある。お母さんが部活にすごく入れあげてて部活優先なので塾の時間を変えてくれとか時間を節約するために塾でお弁当を食べさせて欲しいとかそういう要求をし始めてまあ別にできる限りは対応していた。ただ個人的には部活的なノリにはついて行けないほどの違和感があるのであんなにのびのび育った子をそういうがちがちに固まった価値観に流し込んで大丈夫なのかという疑問はあった。それでやっぱなんか変な感じになって塾を辞めてその後は部長になったということでお母さんはさぞかし鼻が高かったかも知れないけどどう考えても向いてないよねと考えていた。割に頭のいい子で算数とかはうちの子よりできた。でも高校受験ではうちの子より偏差値で言うとはるかに下のあまりぱっとしない私立校に行くしかなかった。たぶんそれが気に入らなくて口コミのサイトにうちの塾の悪口を書いたんだと思う。
 でも数年ぶりで会った彼は小学生のときみたいにおおらかでまっすぐな印象を取り戻していた。と思う。いろいろあったのかも知れない。でも今はいい子なんだと思う。これからしばし彼と一緒に仕事をして行く。あの頃のようないい子だったらいいなと思う。そう信じたいとも思う。