指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

「街とその不確かな壁」その後。

 村上春樹さんの新作長編を出版されてからもう二週間になると言うのにまだ読んでいる。今550ページあたりだ。忙しくてなかなか読む時間が取れない。村上さんの新作をこんなに長い期間読み終えないでいるというのは初めてじゃないかと思う。刊行日の4月13日と翌14日はこの本を読むためにバイトは有休をとった。でもどちらの日も時間のほとんどを家人と外出すること昼に一杯飲むこと昼寝することに使ってしまった。理由はうまく言えないけれど本を読むことより普通の楽しい時間を優先する生活を送りたいと無意識に思ってるからのようだ。家人は今更ながらだけど小説家である意味とても頭がいい。頭がいい人とはちょっと話してもおもしろいと彼のスメルジャコフも言ってる。だから今のところ(ってもう結婚してから来年で25年になるんだけど)家人と話してるのがいちばん楽しい。それって幸せなのかもねとちょっと思う。