指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

村上春樹ライブラリー十八回目。

 八時半頃まで眠れる。子供は先に起きて学校へ行った。僕も朝食を食べてから村上春樹ライブラリーへ出かける。弱い雨。スプラトゥーン3のTシャツとハーフパンツにスポーツサンダルという格好ではやや肌寒い。出がけに家人に12時半までにはお弁当買って帰るからと言ったら子供が1時からバイトだから12時までには帰って来て欲しいと言われる。もともと向こうでそれほど長い時間を過ごすつもりでもなかったので快諾。という訳でライブラリーにいたのは30分ほどか。読んでないことがわかってた吉元由美さんの「するめ映画館」を手に取る。村上さんとの対談の他村上さんと和田誠さんとの鼎談もいくつか収録されている。対談の方を二本読んだけど全然知らない古い映画についてのお話なので特に心躍る読書とは言えなかった。でもまあまた来る機会があれば続きを読むかも知れない。顔見知りのスタッフさんには会えなかったけど前回も触れた理由により特に残念とも思わなかった。外に出ると霧雨。来るときより強まっている。気温も下がったみたいでさっきより寒い。でも我慢するよりしかたないので予定通りお弁当を買って帰る。あとはいつもと同じ。
 この前ピョートル・ヴェルホーヴェンスキーのことについて触れたらなんだか「悪霊」が読みたくなった。うちのどこかにも米川正夫さんだったかの古い訳があるはずだ。でもせっかくなので新しい訳で読みたい。それで亀山郁夫さんの訳をブックオフで探したら三巻ものの文庫で中古でも結構高い。おまけに別巻として「スタヴローギンの告白」の異稿なんてのも出てるらしい。うーん。図書館で借りて済ませようかな。ところで人はピョートル・ヴェルホーヴェンスキーなんて長い名前お前はほんとに覚えてるのかと疑われるかも知れない。でもほんとに覚えてるんです。若い頃に覚えたことって案外忘れない。「罪と罰」のヒロインの名がソーニャであることはあまりにも有名かも知れない。ただそれは愛称であってフルネームはソフィヤ・セミョーノヴナ・マルメラードヴァ。村上春樹さんの小説のどこかに「カラマーゾフの兄弟」の兄弟全員の名前を言える人がどれくらいいるかみたいなことが書いてあった覚えがあるけど僕は全部言えてもしかしたら四男に当たるかも知れないスメルジャコフのお母さんの名前がナスターシャ・スメルジャーシチャヤだったことも覚えている。だからなんなんだと言われると別になんということもない。ただそういうのって一度覚えちゃうとなかなか忘れないもんなんだなということです。
 バイトは今日から四連休。明日は生徒さんが受ける私立中学の過去問を買って来なければならない。ちょっと面倒だけど出かけるきっかけとしてはちょうどいい。