指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

カレン・カーペンターが亡くなってすごく悲しい。

見つめあう恋

見つめあう恋

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 カレン・カーペンターが亡くなったのは1983年のことでそれについてはこのブログでも触れたことがある。当時はディスコミュージックに夢中になっていたのでカーペンターズはすでに自分の中では終わっていたという内容だったと思う。ところが最近アルバム「A Kind of Hush(邦題「見つめあう恋」)」を聴いていて不意に涙がこぼれて自分でも驚いた。
 今調べるとこのアルバムは1976年6月11日にリリースされている。割に熱心なカーペンターズファンだったので発売当日か間もない頃にこのLPレコードを買いに行った覚えがある。中一のときだ。アルバムタイトルになってる「見つめあう恋」のシングルは同じ年の2月にリリースされてるのでたぶんこの曲だけは聴き覚えがあったんだと思う。それだけの前知識でアルバム一枚を通しで聴いてどう思ったかと言うとすごく気に入ったという訳ではなかったような気がする。その頃の自分の感覚を今の僕が言葉にするなら「地味だな」ということになる。まあカーペンターズをつかまえて派手だと言う人もあまりいないかも知れないけどそれでもそれまでに数々のヒット曲を飛ばしたユニットにしてはおとなしいラインナップに思えた。でも中学生にとってLP一枚買う金額は決して安いものではない。だからもちろん繰り返し聴いた。
 何度も書いてるように実家に残してきたLPレコードはある時点ですべて処分されてしまった。でも会社員の頃のどこかで買ったんだろう今でもこのアルバムのCDを持っている。持ってるけど買ってからどう考えても十年以上は経ってるので最後に聴いたのがいつかも覚えていない。それをなぜか聴きたいと最近思った。それで聴いたら七曲目の「One More Time」がすごくよかった。いやいい曲だとは思っていたけど今回聴き直してなんかすごく胸にしみた。そしてこんなに美しい曲を歌うこんなに美しい声の持ち主が心の病をきっかけに亡くなってしまったことがものすこく悲しいことのように思えてきた。そのとき初めてカレン・カーペンターが亡くなって自分はとても悲しいのだと気づいた。涙があふれてしばらく止まらなかった。彼女が亡くなって四十年。数々の名曲がありますがよかったら「One More Time」聴いてみて下さい。もちろん「Top of the World」でも「Sing」でもいいけど。