指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

子供がご馳走してくれる。

 名古屋で食べた味噌カツがおいしかったので東京にあるそのお店の支店で子供が家人と僕にご馳走してくれると言う。それで東京駅のグランスタにある矢場とんというお店に三人で行った。結構並んでたけどお店の人に聞くと二十分くらいで入れるということだったので待つと本当に二十分ちょっとで入れる。ロースカツの定食を頼むとカツと付け合わせのキャベツの盛ってあるお皿が出てきて目の前でたっぷり味噌だれをかけてくれる。ごはんと味噌汁お新香とレンコンの煮物がつく。ごはんとキャベツはおかわり自由。家人と僕は一杯で充分だったけど子供は大盛りを二杯おかわりしていた。まだそんなに食べるんだなあ。お肉が柔らかくて衣がかりっとしててとてもおいしかった。子供にご馳走してもらうというのは初めてだ。どう感じたかと言うと意外と特に感慨はなかった。一生懸命バイトして少しは自分の自由になるお金があってそれを親への恩返しに遣ったということかと思う。僕としては僕の稼ぎで家人にも子供にも喜んでもらえることの方がやっぱりうれしいかな。と思う。もちろん子供の世話になんかなりたくないという意味では全然ない。誰が払おうが家族三人で食事ができたらそれはそれでもちろんうれしい。ただね。このブログを読む若い人というのもあまり想定できないけどもしもいらっしゃるのならご参考になさって下さい。親としては親のためにお金を遣ってもらうよりも自立して自分の稼ぎで自分の生活を立ててくれることの方がずっとうれしいです。それがつまり親の役目の大半が終了したことを意味し何よりも親を安心させることだからです。
 子供がガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読みたいと言うので本棚から掘り出して埃を払って渡した。新潮社の白と青の表紙のものじゃなく「ガルシア=マルケス全小説」に収録されている改訳された方のバージョン。子供は中国の文化が専門で中国の小説にマジックリアリズムが大きな影響を与えた一時期があると知り興味を持ったそうだ。つい最近読んだと思ってたんだけどもう九年も経つんだな。君がこの小説を最後まで読み通せたらすごくうれしいねパパは。うちの蔵書はすべて君のためにとってあるんだから。https://ehe.hatenadiary.jp/entry/20140527/p1