指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

家人も病院へ行く。

 僕と同じところを朝イチで予約して家人も病院へ行くことになった。正午からだと言う。子供は家人のつくった朝食を食べて出かけた。今日は学校の後にバイトが入ってるので夜になるまで帰って来ない。帰って来ても家には寄らずいつも通り深夜まで塾で過ごすことになっている。僕らとしてはその方が子供にインフルエンザをうつす可能性が減って気が楽とも言える。ふたりとも食欲がないのでロールパンを一個ずつ食べて水を飲む。それから洗濯物を干すのを手伝い子供のベッドを整える。僕は区役所に行って戸籍謄本を取らなければならない。月曜日に年金事務所へ行くのに必要だから。なので午前中にひとりで出かける。書類はすぐにもらえて年金用ということで料金も無料。区役所を出て信号待ちをしてると既視感がある。この時期のこの時間帯の区役所前の信号待ち。十一年前リストラされたときいろいろ手続きが必要で区役所に何度か通ったのとまるで同じシチュエーションだった。あの失業者独特の寄る辺のなさ。仕事がないという不安と仕事が見つからないかも知れないという恐怖。そんな思いが一瞬にして心を満たす。でも今はそれが心を満たすに任せて振り返って今を眺める余裕がある。それはなかなか悪くない気分だ。ただ今でもそれはひとつのトラウマではあるんだろうな。帰宅すると家人が病院に出かけようとしてたので終わったら連絡くれれば迎えに行くから一緒に昼食と夕食を買って帰ろうと伝える。その通りにして昼食。昼食後家人は薬を飲んで一緒に昼寝。アマゾンに頼んでいたアディダスのジャージの上下を一昨日昨日と二日にわたって塾に配送に来たけど不在なので持ち帰ったとステータスに書いてあったので三時半頃起きて塾に行って待つ。待ってる間にやっとクリスマスの飾り付けをすることができる。一時間もせずに荷物も届いて帰宅。ジャージはバイト用。家人は薬が効いたのかすごく楽になったみたいでよかった。夜になって僕はまた体温が上がり始める。昨日まで三日連続で三十九度越えなので今夜もそうなるんだろうか。いい加減にして欲しいんだけど。