指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

ふたつもらう。

 今年のバレンタインはふたつプレゼントをもらった。ひとつはプールのお客さんのワミさん。もうひとつは家人。ワミさんはGODIVAのチョコレートをくれた。初めて食べたけどおいしいのかどうか今イチわからなかった。家人はエクレアをくれた。エクレア割に好きだ。滅多に食べないけど。ワミさんには何かお返しをしないとと考えている。でも何がいいのか全然わからない。
 昨日結構食べたと思ったのに今日体重を計ると六十九キロを切っていた。仕事してるよりうちでごろごろしてる方が体重が減る。どういう訳なんだろうか。でも経験的に言ってそれは事実のような気がする。
 今日のスイムは三十分ちょっとで九百メートルと割に不調。昨日の夜泳いだ疲れがまだ残ってたみたいだ。明日また仕切り直そう。
 昨日気づいてちょっと驚いたことがある。それは右膝に怪我をして四時間近い手術を受けたのが1995年1月17日つまり阪神淡路大震災の起こった日だったことに端を発する。場所は実家のある足利市の日赤病院だった。そしてこの前の同じ日1月17日にも母親の入院のために足利の日赤へ行かねばならなかった。二十九年を隔てて同じ日に同じ場所(と言ってもその間に病院は移築されてるんだけど。)でどちらもかなり重要な体験をしたことになる。奇遇と言えば奇遇な気がする。二十九年という年月の意味は不明だ。ただ自分としては直径二十九年のとても大きな円環がやっと閉じたようなイメージを抱いている。「海辺のカフカ」の星野ちゃんが重い石をひっくり返して何かを終わらせたみたいに。何が終わったんだろう。でもその円環は怪我の手術に始まり病気での入院に終わってるので忌むべき何かを閉じ込めてくれる禊ぎのようなものだったんじゃないかと考えている。だとしたら僕はより明るい未来に向かって行けるんだろうか。願わくばそうであって欲しい。と思う。大変な目にはもう充分遭ってきた気がするから。