指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

子供が札幌に行ってる。

 昨日の夕方千葉県からフェリーに乗った子供が今日の午後苫小牧に着きその後札幌まで行って今夜はそこに泊まると連絡があった。例によって詳しいことは知らないけど札幌で開かれるライブか何かを見に行くのが目的らしい。でも大好きなサウナ巡りもするようでフェリーにも今夜の宿にもサウナがあると言う。フェリーは大部屋で雑魚寝今日の宿もカプセルホテルという節約旅行だ。でもなんだかうらやましい。若さってそういうことだよなという感じがする。子供と同い年の頃自分が何をしてたか考えてみると大学にも行かずに下宿にこもってひたすら本を読んでた。あと行きつけの喫茶店に入り浸ってた。それはそれでひとつの若さの形ではあると思う。でも子供を見てると自分はもったいない時間の過ごし方をしたかなという気がしないでもない。後悔しても始まらないのでまあそういう人もいていいよねというところでうやむやにしてる。ものを考えるのにあまり突き詰め過ぎない方が幸せでいられるということもときにはある。特に過去を振り返る場合なんかには。家人は小説家だし僕はこんなんだし現実的な行動力とはおよそ縁がないふたりから生まれた子がどうしてこんな風に育つのか。よくわからない。でも悪くないよねうちの子とは思っている。どんな親御さんでもそう思うのかも知れないけど。
 今日のスイムは25分11秒で千メートル。プラス19分56秒で750メートル。いつものように朝泳いだ他バイトの空き時間が珍しくあったのでゆっくり目にもう一度泳いだ。お客さんをかいくぐってなので自分のペースを守るのが難しい。譲ったり頭を下げたり相手に不快感を与えないように気をつけて泳ぐ。プール監視を長くやってるとどういう泳ぎ方をする人が傍若無人なのかあるいは気を遣える人なのかというのがはっきりわかってくる。だから公共のプールで泳ぐ礼儀作法については結構達人なんじゃないかと自負している。まあそんなことで達人になってもなんの役にも立ちそうにないけど。